本作品を手に取ったのは、今年のお正月。実家に帰省中、甥っ子に連れられてデパートにあるカードショップに行ったとき、となりにある本屋で。
”超”がつくほど、有名で小説事情にうとい私でもタイトルと著者の名前だけは知っていた。以前から村上春樹さんの作品を読んでみたい、と思っていて全作品は難しいかもしれないけれど、有名タイトルだけは読んでおきたい。
知らなければバカにされるわけではないけれど、読んでおいて損はないかなと。
これほど有名な作品だとむしろ面白くないわけがないだろうが!という期待していた部分があって、甥っ子がお年玉で買うカードを選んでいるのを横目にレジへ向かった。
文章の巧みさ
実際に読んでみて、どうだったかというと「おもろない」。
序盤から中盤まで何らおもしろくないストーリーが永遠に進む。読みはじめる前に期待しすぎたかなと後悔するほど面白くないが、なぜだかめくれる残りのページが少なくなっている。
終盤に施設に入っている彼女の同室人が「ノルウェイの森」をギターで弾くところからようやく面白くなりそうな気配を感じて「ようやく来たか!」とわくわくした。
しかし、そのまま上巻が終わってしまった。
最後まで読み切れたのは文章がよかったからだと思う。登場人物のキャラクターや情景など、それを表現するための文章がすこし知的で読みやすく素敵だった。
だから最後の一行まで読み進めることができた。
そうでなければ彼女とデートした時点で読むのをやめていただろう。
この言葉や文のうまさはさすがという感じがした。たくさんの読者に読まれるわけだなと。
残念な気持ち
しかし、期待して読んだが残念な気持ちでいっぱいだ。
数々の名作を輩出していると”言われている”村上さんだが、なぜそういわれているのか分からない。
本作品を評価する人がたくさんいるのは知っている。ただ、私には上巻を読んだだけではわからなかった。もしかしたら、上巻を読んだだけでは、この作品の本当のおもしろさは伝わらないのかもしれない。
私は下巻を購入した。
タイトル | ノルウェイの森 |
著者 | 村上 春樹 |
出版 | 講談社文庫 |
出版日 | 2004/9/15 |