「コンビニ人間」を読んで

本作を手に取ったのは、最近電子書籍ばかり読んでいて単行本のページをめくりながら読みたいなと思い本屋に出かけたとき。

本屋の本棚に並んでいる本の中で平積みにされている本書を手に取り、「あ、これちょっと前に話題になってたやつだ」と。本の裏に書いてあるあらすじを読んで興味がでてきて、賞をとっている小説ならハズレはないだろう。

そんな気軽な気持ちでレジに向かった。

序盤の主人公がコンビニで働いている際の情景の書き方が、システマティックですこし冷たいそんな印象をうけた。

ただ客の行動を観察して、次にどんな行動を予想し、先回りして対応する主人公に共感をした。

わたし自身、大学時代や正社員をやめ次の仕事の就職するまでのつなぎとして、コンビニで働いていた経験がある。

コンビニで最も忙しい時間帯は、世の中が動き出すとき。

新しい商品をのせて配送が来る7時頃が朝のピーク。店に入ってきた客が迷いもなく、レジとは反対側の飲料市場に向かい、いきよいよくトビラを閉めた音が聞こえたら、レジでタバコを買う職人さんだ。

カップスープ売り場の女性OL風の客は商品を選ぶまで時間がかかる。そしてそのあとサンドイッチまで来てレジに向かう。

この小説にはそんな情景が描かれていて、その時のことを思い出しながら読んだ。

普通を求めて行動する主人公がストーリーが展開し、主人公の異質さがきわだつとき、その常識がわからず人とは違った行動をおかしくおもうかというとそうではない。

それがこの小説のおもしろさである。

普通とはなんなのか。世間の常識とはどういうものなのか。人間のおかしな”性質”はなぜおこるのか。とても考えさせられる作品になっている。

人はどうあるべきでそれと違うと落ち着かなくなり、その相手に干渉してしまう。

たとえば、結婚もせず、コンビニで10年以上勤めている30半ばの女性にたいして、なぜそんな生活をしているのかしりたがる、など。

人が周りと違うことをすると不安になる。民族同調意識ともいうべき、感情がいかにおかしいのか。戦時中の人を道具としてしかみていない時代とは違い、多様性万歳といわれている現代においても、多様な生き方についてはみとめられない。

ある種の本能が脳に植え付けてられているのだろうか。

この小説は”普通”に生きようとする一般的な感覚がない主人公が、人間のおかしな本能を教えてくれる そんな小説でした。

タイトルコンビニ人間
著者村田 紗耶香
出版文春文庫
出版日2018/9/4

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choco1120

eスポーツライター 老若男女だれでもeスポーツを楽しめるようにをモットーにeスポーツ関連の記事を執筆しています。他にはゲーム動画や選手をかっこよく撮るカメラについても書いています。