2月1日に日本eスポーツ連合の設立が発表されました。
日本eスポーツ連合が実際に何をしているのか。どうして高額賞金を出すのにプロライセンス制度を”わざわざ”設けたのか。
そのあたりを話していこうと思います。
木曽氏は語る「彼らはeスポーツ全体を牛耳ろうとしている」と
何でそんなことをするのか。それは国内のeスポーツ全体を彼らの傘下に収めるため。ゲーマーには我々の認定がないと賞金貰えません、大会主催者には我々の公認がないと賞金出せません、パブリッシャには我々の組合に入らないとeスポーツとして展開できません。そうやって全体を握っていくための方便。
— 木曽崇@「夜遊びの経済学」6月15日発売 (@takashikiso) 2018年2月3日
日本における高額賞金ゲーム大会において、特に詳しい木曽氏。日本eスポーツ連合が行おうとしていることについて「国内のeスポーツ全体を傘下に収める」ためにプロライセンス制度を設立させたと言っている。
どういうことなのか。詳しく見て行こうと思う。
2つ日間に分けて「予選」と「本選」
特にスト5の大会仕様が象徴的なんだけど、参加者は大会をワザワザ初日と2日目に分けて、初日を「予選」と称し、2日目を「本戦」と称してるでしょ。そして、本戦出場のプレイヤーには金額こそ差があれ、全員が何かしらの賞金設定されてる。実はこの仕様は鉄拳もモンストも一緒。
— 木曽崇@「夜遊びの経済学」6月15日発売 (@takashikiso) 2018年2月3日
予選を行ってから本選へ進めるという仕組み。大規模な大会であれば普通の仕組みだろう。
しかし、ここにもeスポーツ連合の思惑の一端がある
その他の大会も、プロ認定の為のトーナメントを別開催し、改めてそこで「プロ」化したプレイヤーを別ステージに上げた上で賞金を出すというスキームを取ってる。
— 木曽崇@「夜遊びの経済学」6月15日発売 (@takashikiso) 2018年2月3日
1日目はプロライセンスを持っていないプレイヤーにも参加してもらう。そのプレイヤーが本選に出場したらライセンスを付与して、本選を行う。
そうすることで、「プロ化」したプレイヤーしかいない大会が開かれ、賞金を出すというスキームを取っている。
つまり、日本eスポーツ連合は「高額賞金を受け取りたければ、プロライセンスを付与されないとダメだよ」と言っているようなもの。
プロライセンスが無くても高額賞金は受け取れる?!
日本において景品表示法などの法律があり高額(10万円以上の)賞金をうけとることができない。
しかし、特定の条件があれば高額賞金を受け取ることができる。それは「出場者が視聴者にゲーム購入・課金を促しうる場合、主催者のために仕事をしているとみなせる大会」であれば高額であっても賞金を受け取れる。
つまり、「仕事の報酬」だからその対価をもらっているに過ぎないという理論だ。
そこで木曽氏はこう語る。
彼らが必ず大会をワザワザ2つに分け、2日目に開催するプレイヤーを(彼らが言うところの)「プロ」のみに限り、しかも2日目の出場者には全員に何かしらの賞金がでる仕組みにしてるのか。彼等はこの2日目の大会を契約書上はゲームのプロモーションイベントとして説明し、恐らく出場者と出演契約を結ぶ。
— 木曽崇@「夜遊びの経済学」6月15日発売 (@takashikiso) 2018年2月3日
ゲームのプロモーションイベントとして大会を開き、出場する選手には出演する契約を結ぶ。そうすれば金額が高額であろうとなかろうと、「イベントの出演料」として選手に支払うことができるのだ。
では一体なぜプロライセンス制度が必要なのか?
プロライセンス制度が無くても高額賞金が支払うことができるなら、なぜ日本eスポーツ連合は制度を設けようとしているのか。
それが最初のツイートのこのコメントに尽きる。
何でそんなことをするのか。それは国内のeスポーツ全体を彼らの傘下に収めるため。ゲーマーには我々の認定がないと賞金貰えません、大会主催者には我々の公認がないと賞金出せません、パブリッシャには我々の組合に入らないとeスポーツとして展開できません。そうやって全体を握っていくための方便。
— 木曽崇@「夜遊びの経済学」6月15日発売 (@takashikiso) 2018年2月3日
プロ認定がないと賞金がもらえないよと。大会主催者には日本eスポーツ連合の公認ではないと賞金が出せないよとという「イメージ」を植え付ける。
そうすることで、日本のeスポーツ全体を自分たちの手中に収めようとしている。
上記のイメージさえ植え付けてしまえば、eスポーツのお金のほとんどが彼らの中に入っていく。そういうお金の稼ぎ方を考えているのだ。
これが悪いかどうかはこれを読んでいる方に判断をゆだねるが、一つの団体にeスポーツのすべてをゆだねるのは危険だと私は思う。
あとがき
いかがでしょうか。
日本eスポーツ連合が行っているプロライセンス制度の実情や本質、そして彼らの今後の活動をお話ししました。
以前から日本でも高額賞金の大会が行われており、別にプロライセンス制度は不要だと思うのだけれど、彼らの影響力によっては日本全体が「免許制度」を導入する雰囲気に包まれるかもしれませんね。
ですが、高額賞金大会の道は一つではないことは頭の片隅に覚えておいて欲しいです。
正しい情報を手に入れて、正しく賛同するなり批判するなりして欲しいと思います。
以上、チョコでした。